第41章

「ほんとにできるのか?このままじゃ魚はいつになったら食られるんだ?」

島宮奈々未の声が島宮雪乃を妄想から現実に引き戻した。我に返ると、魚はまだ目の前で威張っており、島宮奈々未はソファでくつろいだままだった。

「きゃあ!」

キッチンから島宮雪乃の悲鳴が次々と響き渡る。まるで豚の屠殺のような恐怖に満ちた叫び声は、最後には嗄れてしまうほどだった。

島宮雪乃は散々な姿でキッチンから出てきた。服はほとんど水しぶきで濡れ、髪も濡れてべたべたと顔に張り付いていた。

リビングには姿見が立てかけてあり、島宮雪乃は鏡に映った自分の姿を見て、また悲鳴を上げた。

「ああああ!」

島宮家のお嬢様で、林川...

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